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restaurant shezmari
Chef  Hideki Ishii

スペシャリテとは、お客様である皆様の声共に作り上げられるものだと考えています。いくら私がこの料理は私の思い込みが入った料理だといっても、そこに普遍性、すなわち多く多数の方の賛同を得ることが出来なければ、スペシャリテ とはなり得ないと考えるのです。
スペシャリテというとレストランの「顔」となる看板料理でシェフにとっても思い入れの強いメニューという意味合いにとられることが多く、通常は店 側からの出力が基本となります。しかし私は食べ手側が決めるその店のスペシャリテというものがあっても私は良いと思います。
私は旅をする際には、ここへ行ったらコレというものが決まっています。例えば私の大好きな淡路島の場合玉葱の旬の季節には、必ず玉葱ピッツァを、鯛の季節には鯛の土鍋飯を、といった具合です。
私自身が美味しいと思い、しかも再度食べてみたいと思った一皿は、勝手に私の中でスペシャリテとして認定してしまいます。私が究極に目指したいのはここにあります。「石井さんの料理で、前回の冬に食べたキッシュが大変美味しかったので、もう一度メニューに入れて欲しい」こんなリクエストが続々と予約時に寄せられるようになることが私の夢です。
実際開業以来12年が経ち、このようなリクエストが着実に増えて来た事は喜ばしい事であると共に、声を寄せて頂いているリピーターの皆様には感謝 の気持ちで一杯です。

アンカー 1

日本オーベルジュ協会初代理事。
地産地消に20年前より着眼し、フードマイル・マクロビオテック等、従来のフランス料理に石井らしさをアレンジさせた体に優しいフレンチに定評がある。

Sommeliere  Akie Ishii

長野県の蓼科にシェマリーが在り、
しかも、街のレストランでもないという点でした。

1996年から3年間、私たちは車山高原で、とあるリゾートインの支配人を任されていました。その過程の一つ、フランス料理の勉強をしていくなかで、「地産地消」という言葉に出会います。今となっては、ありふれた言葉ですが、当時は殆ど通じない「何いってるの?」とさえいわれるものでした。もちろん私たちが当時提供していた料理も、フランス直輸入とか、三大珍味とかを大々的に詠っており、ワインもフランス、ドイツなどを取り扱っていました。
しかし、都市や街で美味しいフランス料理を手軽に召し上がれる大半のお客様は、わざわざ蓼科まできて都市と同じことを望んでいらっしゃるのだろうか。

そんな疑問も持っていたのは事実です。

「地産地消」という言葉に出会い、長野というものをどうやって取り入れていくのか考え、まずは食材から取り入れていくことになりました。
幸い茅野市というところは、地物の新鮮な野菜等が手に入る絶好の環境でした。
とりあえず、料理のなかで「地産地消」という表現はなんとかできました。
環境も車山高原というリゾートで完成!ということで、しばらく運営させていただいておりました。

その中で、お客様の一言が私たちに気付きを与えてくれます。
それは…
「長野県でやっているのに、長野県産ワインは置いていないの?」

「ビビッ」ときました…それからです、必死になって長野のワインを飲み比べ、料理とのマリアージュも考え…ソムリエ資格を持っていなかった当時の私には自分の味覚が唯一の頼りでした。
その中で、長野の食材で作られた料理をフランスワインであわせたときよりも、長野ワインであわせたときの方が美味しく感じるものが結構あったのです。一言でまとめると、「相乗効果」とでもいったら良いのかもしれません。このような経験を通しながら、長野ワインとの付き合いが始まっていきました。1999年シェマリーを開業したときももちろん「地産地消」がベースです。なんとかソムリエの資格も取りました。今度はソムリエの勉強の中で「テロワール(土地らしさ)」という言葉に出会います。「長野らしさ」「蓼科らしさ」「シェマリーらしさ」これらを楽しんでいただくものとして、やはり長野ワインは欠かせないものの一つであると確信しました。最近のお客様がよくおっしゃっていただく嬉しい一言があります。「今日は此処に来たんだから、信州(長野)にどっぷり浸かって、楽しむよ!」と。こんなお言葉をいただくと、俄然張り切ってしまいます…「地産地消」「テロワール」etc.難しい言葉はさておき、シェマリー滞在中の楽しみのひとつとして、長野ワインも是非お試しになってみてください。

アンカー 2

日本ソムリエ連盟公認ソムリエール
オーナーシェフの醸し出す地産地消の蓼科フレンチとのマリアージュを考えたワインセレクトに定評がある。

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